桜も散って、若葉がまぶしいこの頃です。
こんな中、相模原市の奥、津久井湖まで出かけました。任意売却物件の現況調査と仲介業者の依頼が目的です。
一応、仕事ということになりますが、案件には特段の問題もなく、すつかり後楽気分で一日を楽しみました。これからの季節、遠出も悪くありません。
さて、今日はこれとは別の任意売却の話です。
この案件、5番までの抵当権者がいますからて大変そうですが、それほどでもありません。
物件の購入がバブル前のため、最終的に残債はそんなにでないのです。といっても債権者が多いですから、保証会社の担当者などは『うちは当然、ゼロでしょうね。』とすっかり観念しています。
大変なのは、残債でなく別のところです。
この任意売却の依頼者には、なんとしても秋までは自宅を手放せない事情があります。それに引越代なども儘ならない状態で、多少のお金の捻出も必要です。
こんな事情にありながら、債権者の一人から昨年10月に競売の差し押さえを受けています。これでは、とても任意売却に時間をかけていられません。
任意売却の下地づくりを急がなければなりません。まずは差し押さえの解除ですが、これは厄介です。
実はこの依頼者、他にも多額の借り入れがあり、かなり前に債務整理を弁護士に委任しているのですが、受任通知が出ていません。弁護士としては自己破産にするということで、住宅ローンの債権者には手を付けていなのです。それで今回の競売です。
理由はともかく、これでは間もなく競売で一件落着になってしまいます。
そこで依頼者から受任弁護士に、相手方弁護士との取り下げの交渉を頼むことにしたのですが、『全額を持ってこなければ交渉はできない。』の一声でお断りです。
結果、取り下げは私に、ということになってしまいました。
たしかに、回収が何時になるかの保証もなくては、債権者代理人として取り下げには応じられません。だからといって、全額弁済では話になりません。
まあ、いろいろありましたが最終的には競売の取り下げ費用を支払うということで、相手方弁護士との話はつきました。
通例であれば、本件のような競売の取り下げはありえません。
債権者煮にとってこの場合、取り下げには何のメリットもありません。それどころか、任意売却が不成立に終われば、再度の差し押さえもということもありえます。
取下げ費用の負担はやむをえません、債権者に負担理由がありませんから。それにしても、余計な費用でした。
次の問題は、住宅金融支援機構です。
この依頼者、自宅を知人に譲渡し所有権の移転登記もしています。名義を変えておけば、自宅を維持できるとと考えたのです。
抵当物件が譲渡されたところで、物件の担保価値そのものが変わるわけではありませんから、物件の譲渡に担保権者の承諾はいりません。
交換価値を押さえるのが抵当権ですから当然ですが、支援機構としてはそれでは困ります。
支援機構の住宅ローンは、住宅困窮者に対する政策融資です。それがいつの間にか譲渡目的の物件の融資にすり替わってしまっては許せません。
物件の所有権者を元に戻せ、という支援機構には理由があります。融資物件を賃貸している場合も、同じ理屈になるでしょう。
ただ物件の登記名義人は変っていても、実態に変更はありません。素人考えで債権者の督促を逃れるため、名義を友人に移しただけの話だからです。
名義人変更に障害はありませんが、費用がかかります。といって他に方法はありません。しょうがないので費用を工面し、司法書士にも協力してもらって名義を戻しましたが、また余計な出費です。
こうしてやっと、任意売却の申請まで辿り着きましたがこの間、2か月ほどかかってしまいました。後は売却を進めればよいだけですが、任意売却の下地づくりは結構、大変な場合があります。
さて、この案件もそうですが、債務整理は早めの対応が何よりも肝要です。
時間が経つほど問題解決の選択肢は狭まり、余計な出費がかさみ、あげくは打つ手がなくなってしまいます。
いろいろと考えることが多いのは確かでしょう。しかし一人で考えていても、なかなか前に進みません。専門家の無料相談などをを積極的に利用してみてはどうでしょう。展望が開けてくるはずです。