離婚と住宅ローン


離婚することになった場合、住宅ローンをどうするかが問題になってきます。中でも夫婦共有で自宅を購入している場合は、やっかいです。

離婚を考えている方や、共有名義の住宅ローンの返済が困難になった方の相談が多いです。こんなメール相談があります。

「先日は、私の不安な気持ちに丁寧にご対応いただきありがとうございます。主人はあれから持ち直しましたが、収入が半減してしまうことは確実です。今後主人の仕事が最悪の方向になったとき、以下の状況だとしたらどうなりますか。
・住宅ローンは主人一人であり、妻は連帯保証人ではない。・住宅の持ち分を妻が1/24持っており、抵当権が設定されている。
この場合、任意売却をしてローンが残り、自己破産するということになったら、財産の精算を一緒に行い、不足するようであれば主人と一緒に自己破産するという認識はあっているでしょうか。あと、
・土地は主人名義で100% ・家は主人24/25 妻1/25の持ち分 抵当権の設定がある。
この場合、今の段階で私の持ち分を主人に移転することはできるのでしょうか。私はサラリーマンです。正社員で普通にいただいている給料がありますが、借金にはまったく足しになりません。」(東京都)

「私は13年前に離婚しいるのですが、元夫と共有名義で購入しています。私が頭金を出し、残りは元夫が住宅ローンを組むという形で、名義はそれぞれ負担した分を登記しました。ただ共有名義ということで、住宅ローン保証の連帯保証人になってしまっていたようです。しかしその後、離婚することになり、連帯保証人をはずすことをしないまま、共有名義で持っていた持ち分を相手方に譲渡し名義変更したのですが、連帯保証人となっている住宅ローン保証会社には連絡しませんでした。その後、連絡も取らないまま13年が経ったのですが、突然、元夫の弁護士から実家に、マンションを任意売却し自己破産することになったというのです。

そこで質問ですが、任意売却は、連帯保証人の許可なくできてしまうものなのでしょうか?また問題はないのでしょうか?(共有名義で購入したことことから見ても、私の持ち分には抵当権が付いていたのではないかと思うのですが・・それは名義変更したら移動するものなのですか?)もし、連帯保証人の許可なく任意売却が行われることが通常ありえないのであれば、勝手に売却されたということを理由に支払いを拒否することはできるのでしょうか?」(埼玉県)
 

連帯保証人や連帯債務者から離脱できるか

離婚するこの際に、住宅ローンの連帯保証人や連帯債務者からも離脱したいという人が少なくありません。そこで夫婦でそのような約束をしたらどうなるでしょう。約束はもちろん自由ですが問題は、それを債権者に主張できるかどうかです。

しかし銀行は、そのような約束を分かりました、と認めるわけにはいきません。住宅ローンの返済が延滞した場合にそなえ、債権の保全のために連帯保証を付けたり連帯債務にしているからです。これが原則です。そうなると離脱は無理なのかというとそうでもありません。例えば、債権の保全に十分な担保物件や資力のある保証人を新たに付けてくれるのであれば、連帯保証人や連帯債務者の離脱を認めても特に問題はないからです。ただ債務者にとって、それは現実的に対応できないでしょう。

連帯保証人と連帯債務者

この際ですので、連帯保証人と連帯債務者の違いについて少し説明させていただきます。相談を受けていると多くの方は、両者の意味を理解されていません。
まず、連帯保証人とは、債務者と連帯して債務者と同じ債務を履行する義務を負う人のことです。連帯保証人は、あくまで債務者の保証人に過ぎないのですが、債権者の請求に対し、債務者に先に請求してくださいとか、債務者には資力があるのでそちらから回収してください、などと主張できません。そこが単なる保証人と違うところです。

次に、連帯債務者とは、債権者に対して同じ債務を連帯して履行する義務を負う人のことです。この場合、債権者はどの債務者に対しても全部でも一部でも請求することができます。夫婦が所得合算で自宅を購入した場合は、連帯債務者であって連帯保証人ではありません。また債務は、持分の上だけでなく全体に対し負うことになります。

売却と連帯保証人の同意

「任意売却は、連帯保証人の許可なくできるのか。また問題はないのか」という相談がありますので、この点にも触れておきます。

連帯保証人の保証義務は、物件を売却した後に残った債務にも及びます。そのため銀行が安い価格で売却を認めると、保証人から「私は、担保物件の価値が十分にあると思ったから連帯保証人になった。それをこんな安い価格で売却するとはどういうことか。私が考えていた価格と安く売った価格の差額は保証できない。」というクレームになります。

そのため銀行は、「担保保存義務免除特約」を契約に付けています。ですからクレームがあっても特に問題はないのですが、売却にあたっては更に念を入れて「担保権解除同意書」を連帯保証人に求めるのが一般です。このように銀行は、トラブルを回避するため、同意を取り付けたり特約を付けたりしますが、連帯保証人の許可がなければ売却ができないということにはなりません。

 

抵当権を外すことができるか

連帯保証と連帯債務からの離脱に次いで相談が多いのが抵当権を外すことができるか、という相談ですが、これも結論をいうとできません。債権者は、住宅ローンの回収のためいろいろな保全策を考えますが、その中で最も重視するのが融資物件に設定する担保権(多くは抵当権)です。

担保権があれば、返済の延滞があっても抵当権のあることを裁判所に示して、確実にしかも手間もかけずに融資金を強制的に回収することができるからです。ですから、抵当権を外してくださいとお願いされても認めるわけにはいきません。それでも外してといわれれば、「今の物件に代わる物件を提供していただけますか、それなら検討します。」という話になりますが、それができるなら苦労はいらないでしょう。
 

住宅ローンの名義変更はできるか

夫婦で話合った結果、共有名義の自宅を夫の単独所有とし、ローンの返済も夫が引き受けることになった。ついては住宅ローンの借入名義人を夫に切り替えたい、と銀行に申出ても応諾は期待できません。なぜなら共有名義になっているのは、夫婦合算の収入て住宅ローンを組んでいるからです。それにもかかわらず名義変更を認めれば、債権の保全に重大な支障をきたしかねません。

そのため、銀行は、「担保について現状を変更し、または第3者のための権利を設定もしくは譲渡するときは、あらかじめ承認をえるものとする。」という条項を融資契約に入れています。ただし絶対に変更できないかというと、方法がないわけではありません。例えば、住宅ローンを単独に切り返えることができるなら、名義変更は可能です

 

住宅ローン問題を解決する任意売却

夫婦が単独でローンを組んで自宅を購入した場合は別にして、離婚を考えている夫婦にとって住宅ローン問題は大きな心配事です。しかし、ここまで説明しましたように、問題を解消してスッキリさせることは極めて難しいです。ただ、こうした問題を抱える住宅ローンであっても、解決方法がないわけではありません。それが任意売却です。

任意売却とは、簡単にいうと住宅ローンが残っていても、連帯保証人にがいても、共有名義の物件であっても、債権者との合意で自宅を売却できる方法です。もちろん、任意売却するためには、クリアーすべき多くの課題がありますし、任意売却ができたからといって、すべての住宅ローン問題が解消することにはなりませんが、問題の多くは解決が可能です。

 

 

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